テーマ「ペロブスカイト」 2024年11月30日

  先週11月26日(火)、突然「伊勢化学」が動意づき、上昇モードに、「積水化学」は跳ねて、その後、高値もみ合いになった。火曜・水曜と、日経平均が大きく下落する中「ぺロブスカイト」関連株が強い動きを見せた。『たけぞうさん』も思わず「ペロブスカイト関連株強いなあ」とポストしていた。

◇「ぺロブスカイト」と「ぺロブスカイト電池」
 「ぺロブスカイト」とは、「灰チタン石」という鉱物の名前。
 次世代太陽電池「ぺロブスカイト電池」は、この「ペロブスカイト」の結晶構造と同じ合成物で造られている。2009年に、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発明した。宮坂力特任教授は、毎年ノーベル化学賞・物理学賞候補に挙がっている。
 「ぺロブスカイト電池」は、従来の太陽電池とは違い、柔軟に曲がる。さらに「ぺロブスカイト電池」の主な原材料は「ヨウ素」で、「ヨウ素」は、日本がチリに次ぐ世界2位の生産国で、29%のシェアを持つ。埋蔵量では世界1位で78%。

「ぺロブスカイト」への注目度
 曲がる性質を利用して、ビルの壁や自動車の上などに貼り付けることができ、現在の「シリコン系」大陽電池の施設を新しく造る必要がないため、世界中から注目されている。
 日本でも、この狭い国土に、従来型の施設を設置となると多額の資金が必要となるが、壁に貼れる太陽電池だと、安価に発電ができると、注目されている。
 原材料も国産で賄えることもあり、政府は、この「ぺロブスカイト電池」の将来に大きな期待を抱いている。
 (そのため、ちょっと不安。政府が絡むとろくなことはない、今まで政府が絡んだ大きなプロジェクトは、ことごとく失敗していることは、ことあるごとに書いてきた)

◇現状
 発電効率に問題があったが、発電効率が次々と改良され、現在は、かなりの発電効率になってきて、20%台になっており、従来のシリコン系のものとそん色がないものができた。
 しかし、原料に鉛を使っている。そのため、「ESG」の考え方とバッティングし、日本での事業化が難しいと見られている。(いた?)
 現在、鉛を使わない素材開発を急いでいて、スズを使うものもできているが、発電効率がまだまだであった。
 ところが、ここにきて、3D構造等工夫されてきて、次々とか開発が進みはじめ、期待が膨らんできている

 そんな中、11月26日(火)に、経産省が「テロブスカイト太陽電池の普及に関する官民協議会を開催し、次世代太陽電池(案)を公表した

 ★経産省 次世代型太陽電池戦略(案)令和6年11月(11月26日公表)
  第8回次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会開催(11月26日)
  ⇒ 008_s01_00.pdf (次世代型太陽電池案)

これがきっかけで、冒頭の「ぺロブスカイト」関連株の沸騰が始まったのである。
 とりあえず、日本がトップを走ってはいるが、中国も、盛んに研究を進めている。だから、政府の頭の固いお役人や規制の押し付け、省庁間の権力争い、自民党議員の利権がらみ等が絡んでだと、中国の犠牲を顧みないがむしゃらさにすべてを持っていかれる危険性がある。今までのプロジェクトが、前述のことでつぶれてきた。その二の舞、三のの舞、何十の舞にならないとも限らない危惧が・・・

 ちなみに「ぺロブスカイト」は、何度かテーマになりかけたことがあったが、その都度「時間がかかりそう」でと言う理由で、流れを作ることができず、テーマにならなかった。

◇政策・戦略・動き
 ★日経BP ネガソーラービジネス (2024年11月27日 23:37)
 ★日経XTECH (2024年6月20日)
 ★NHK (2024年11月27日)

◇関連銘柄
 積水化学、伊勢化学、MORESCO、東芝、レゾナック、エネコート・テクノロジーズ他
 ★Kabutan(11月29日) 関連銘柄 (2024年11月29日)
    ※プライム スタンダード グラース クリック⇒その市場の銘柄表示
◇ペロブスカイト 解説
 ★企業 省エネ・CO2削減の教科書 2024年最新版 (2024年7月4日)

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